「冒険」 04.12.12
ヘブライ11:8〜16
アドベント(待降節)を過ごしています。アドベントは、懺悔、
謙遜、慎みの心でクリスマスに備えていく期間でありますから、
静のイメージがあります。
しかし、アドベントと関係のある言葉にアドベンチャー(冒険)が
あり、そこには動のイメージがります。
冒険とは、危険を冒すというよりも、新しい未知の世界に入り
込んでいくことです。
そして、クリスマスには、このアドベンチャーとしての一面があります。
イエスさまの父ヨセフと母マリアにとって、クリスマス前の日々は、
のんびり静まっていられるような日々ではなかったでしょう。
思いもよらないことが、若い二人に起こったのです。じっとしていられ
ないような心揺れ動く日々だったでしょう。神の御子を身ごもるという、
予想を越えた未知の世界のことを、受け止め、そこに身を乗り出し、
入り込んでいったのです。まさに大冒険に踏み出したのです。
二人は、イエスさまを身ごもったことを告げられた受胎告知以来、ずっと
冒険をしながら、クリスマスに向かって進みました。
それは、行き先も知らずに、神さまに示された所に向かって出発した
アブラハムのような歩みでした。アブラハムも、未知なる世界に身を
乗り出して、冒険をするように進んでいったのでした。
アドベントは、冒険することを思い起こす日々でもあるのです。
その冒険は、自分で決めたことの冒険ではありません。自分たちの
思いを越えた出来事に、神さまへの信頼を持って進みだしたヨセフと
マリアのように、神さまに従って、神さまへの信頼を持って進んで
いくことを、あらためて心に刻むのです。
信頼の中で、踏み出した者を神さまはしっかりと支え、導いて
いかれました。冒険する者への神さまの働きに目を留めるべきです。
名もなき若い二人が、御子イエスの親になることは、
神さまの支えなしにはありえません。
アドベントでは、ヨセフ、マリア、アブラハムを導き支えた
神さまへの信頼を深めます。
私たちを導いておられる神さまは、こんな神さまなのです。